京都府警捜査1課が9月8日、準強制性交の疑いで4人の男を逮捕したました。逮捕されたのは、片井裕貴(21)、山田悠護(21)、濱田健(22)、牧野稜(21)の4容疑者。いずれも同志社大学(京都市上京区)アメリカンフットボール部の部員です。
同志社大アメフト部は1940年の創部で、チーム名は「ワイルドローバー」。関西学生1部リーグに所属し、過去2回の優勝を誇る名門ですが、無期限の活動休止を発表したそうです。
この4人の鬼畜は許されませんが、アメフト部の活動と関係あるのかな?とちょっと思いました。
学長も声明を発表しているが……
こういう事件があると、なぜか容疑者の所属する組織や団体の長が何かしらのコメントを発表したり、その活動を休止したりというアクションを起こすのが常です。
繰り返しますが、発表されている事実が本当であれば、この4人のクソボケがしたことは許されません。
たしかに「推定無罪」といいます。まだ裁判で罪が確定したわけではないので、どこまでこの4人がやったのか、悪いかのかは分かりません。ニュースを見ても、警察は、4人が罪状の認めているのかどうかを明らかにしていません。もしかしたら否定しているのかもしれません。
その点は推測になってしまうので、「もし事実なら絶対許されない」と述べるにとどめますが、兵長が思うところがあるのは、「なぜ大学や部活が何らかのアクションをとるのか」ということです。
たとえば今回、同志社大も植木朝子学長が声明を発表しています。
極めて深刻な事態と受け止め、被害を受けられた方に対して心からお見舞い申し上げるとともに、社会をお騒がせしていることに深くお詫びします。今後の捜査と事実の解明に全面的に協力することはもちろんのこと、事件を起こした当該学生および所属クラブに対する処分を含め、厳正に対処してまいります
こと日本は組織やコミュニティへの帰属意識が強い人の集まりなので、気持ちは分かります。
「学長がこんな声明を出すべきじゃない!」というつもりはありません。「クラブが活動休止する必要もない!」とも言いません。
ただ単純に、「なぜいつもそうなるんだろう」と思います。
なぜなら、別にクラブ活動中にしたわけでもないし、キャンパスでやったことでもありません。
それに、人が所属する組織って一つではないと思います。たとえば家族もそうです。特に家族はある意味、「人が所属する最小かつ最も身近な組織単位」でもあるので、犯罪者の親が取材に応じてコメントすることもありますが、まぁ分からんでもない。
ほかにも所属する組織はいっぱいあります。地域(町内会)、アルバイト先、クラス、習い事……いろんなところでいろんな組織や団体に所属しているはずです。宗教や政治の活動をしていれば、そういう団体・コミュニティにも所属しているかもしれません。
なのに、親を除けば、この手の犯罪があった後にアクションを起こすのは会社や学校、さらには部活ばかりのように思います。これはなぜなのでしょうか。
また、こうしたことは日本だけなのでしょうか?外国でもあるのでしょうか。ちょっとピンと来ませんが……。
肩書きを公表するのも同じこと?
これは肩書についてもいえるのかもしれません。
日本で個人について報道されるとき、必ずその人の所属する団体の名前か、種類が一緒に明らかにされます。前者は、会社名とか学校名。今回でいえば同志社大学の学生、といったかたちです。後者は会社員とか、大学生といった肩書きです。
しかし、個人について報道するときに、その人がどんな人なのかを示すのが、「所属する組織(そしてそれが会社か学校)の名」であるという点に、もしかしたらこれはとても日本的なことなのではないかな、と思います。
だって、上でも述べたように、誰もがいろいろな組織に所属しているわけです。
たとえばこんな人がいたいとします。
渋谷区で生まれ育って、東大の1年生で、専門学校のLECに通っていて、自民党員で、クリスチャンで、焼肉きんぐと代ゼミでバイトをしていて、部活はボランティアサークルだけど、社会人スポーツリーグにも参加している
という人がいたとして、その人は
東大1年生の●●さん
と報じられるはずですよね。
それがなぜなんだろう、ということです。
もし政治的な事件を起こしたなら、東大生であるというより自民党員という肩書きのほうがふさわしいし、そもそも東大の学生だということは関係ないはずでしょう。バイト先で何かしたのなら、そこのお店・教室で働いていたという事実が分かればいいわけです。
なのに、この人は東大生として公表され、もしかしたら総長が何かしらコメントするかもしれません。
たとえばこの記事
これが住友商事の社員・リクルーターとして犯罪行為をしたので、それを公表するのは分かります。
そういうことが起きるのが、そもそもなんでなんだろう?という素朴な疑問でした。